製作記

ネック編

本当はネックから製作すべきなのですが材料が揃ってないので今回はボディを先に回しました。

エボニー指板も届いたのでネック製作に入りますボディは当分後回しです。
ネックが出来ていないとボディのザグリの位置も決められません。
更に角材からネックを切り出すと木が狂うのである程度狂わせながらネックを作る必要があります。
よって普通はネックから製作します。
インレイには白蝶貝(ホワイトパール)を使って豪華にし
ようと思います。

また平面出しです。そしてプレーナーで基準面を作りバンドソーで外周をラフに抜いていきます。
後での調整やデザインの自由度の為少し多めに余裕を見た方が良いです。

テーブルルーターで外周を抜きます。事前に作った冶具を用います 。
ヘッド部分は面積が小さいので正確に機械に当てる事が困難な為ハンディルーターを用いて外周を抜きます。
これまた専用に用意した−2ミリ(ルーターは−3ミリ)の冶具を用います。だいぶネックらしくなってきました。

ヘッドの厚み出しをします。

ペグ穴を開け板に逆向きにネジで固定し左右に同じ高さの台をかましルーターで厚みを出します。
その後ネックをある程度ラフに削ります。70%くらいはこの時点で仕上げてしまいます。ペグ穴も寸法どおりに完全に加工します。


次はいよいよ最大の難関トラスロッドの仕込みです。
たわみ、ピークなどを計算した木製の冶具を作りそれにトリマーを沿わせます。溝のアーチがうまく作れないとロッドが効きません。
トラスの入るエンドの部分と調整用のナットの溝をボール盤とノミ、トリマーなどで削ります。
次に長すぎるロッドを加工します。金ノコを使って切断した後ダイスでネジを切り直します。あまり圧力をかけないのがコツのような気がします。

ワッシャー状のストッパーの底面の角を丸めロッドにマスキングテープを巻いて遊ばないようにしたら
しっかり押し込みその後メイプルで埋め木を作り木工用ボンドで埋めます。
空いた隙間にはエポキシを流し込みふさぎます。完成後効きを確かめましたがこだわっただけありしっかり効きました。



次にインレイの製作に入ります。
インレイの溝はインレイの厚さちょうどか少し浅めにするべきなのですがどうしてなのか1ミリほど深く掘ってしまいました。
こうなるとインレイをはめ込んだあと1ミリ以上指板修整しながら削らなければなりません。削るのにはRパッドとサンドペーパーを用います。

インレイの溝は絶対にちょうどか浅めにしなければなりません


ところでインレイのデザインですが反転させて使うことにしました。

作り方はデザインをコピーしたものをカッターなどで抜き、貝の上において上からマジックで転写し切り込みを入れたベニヤの上で糸鋸と精密ヤスリを用いて削り出します。

やはり機械というのはすごいと感心しました。

 

インレイが何とかできたので次にバインディングを貼っていきます。
1.5ミリの黒いバインディングを使用してその内側に0.5ミリの白いセルバインディングを挟みインレイ風に見せようと思います。
指板のセンターラインはフレット溝を基準に罫書きます。指板の幅の寸法を出したら直線冶具を用いて端を切りセルバインディング用の溝を専用トリマーで抜きます。
寸法に注意です。バインディングの角は斜めにカットして角をシャープにします。なかなか上手く出来ました。

ヘッドのバインディングを貼っていきます。
カーブのキツイ部分はドライヤーで熱して曲げながら瞬間接着剤で貼っていきます。
角の部分はナナメにカットしたセル同士を上手く組み合わせます。

終わったらいよいよ指板とネックの接着です。ホワイトボンドを水で溶き良くすり合わせて

余分な接着剤を出し切りクランプで固定して一日置きます。

翌日クランプ固定用に70%までで留めたネックのシェイプの残りを整形します。
この時点で接着している間に作っておいたヘッドのインレイを入れていきます。

次にヒール部分にもインレイを入れます。ここもオリジナルのハチドリの指板用インレイを反転させて使っています。
ヘッドの523のロゴを切り出すときに作っておいた無垢のアバロン貝の板から切り出しました。

インレイワークも終わったので指板の最終R出し、修正をしてフレットを打ち込みます。
フレットは今回GIBSONと同じ2.7mmのものを使用します。エボニーはとても硬いのでフレットタングをヤスリで落として入りやすくしてやります。というかこうしないと奥まで入りません。
詳しくは後日リフレットページを作ってそこで実演画像をアップしたいと思います。

さあ後はボディとの接着を待つばかり!

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