製作記

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組み込み編

ついに組み込みまで来ました。楽器の音を良くするも悪くするも組み込み次第といって過言で無いほど重要です。
マスタービルダーの「ビルダー」という言葉も元々は組み込みする人を指すというのが語源らしいですからその重要度は推して知るべしです。

…の前にまずアッセンカバーパネルを製作しますローズウッドの板で作ったのですがやはりキルトのほうが見た目が良いのでキルトメイプルの突き板を貼ります。1日乾燥させて木地着色します。方法はここでは割愛します。貼ったらすぐにヤニ止めしなければならなかったのですが、時間切れで翌日やってきてみると昨日までまっすぐだった板が凄く沿っていました。この対策はいずれ考えることにします。

トラスロッドのカバーはエボニーで作りました片方にキルトの突き板を貼って気分によって両面使えて楽しめるようにしました。ボディと同じバインディングを施してあります。小さくやりにくかったですがこの作業はもう大分要領を掴みました。

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ここからが組み込みです。まずはマスキングを剥がしますが適当にぺりぺり、イってはいけません(笑)ちゃんと剥がす方向があります。
マスキングの上の塗装はネックの塗装とつながっているので最善の注意を払って剥がさなければわずかな不注意からまた塗装まで戻らなければならない事態にもなりえます。
セットネックギターのマスキング
は指板面だけですので鉄工用の油目ヤスリを使って指板のエッジを塗装ごと削って指板面のマスキングを切り離します。少しずつ慎重にやりまょう。

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マスキングが剥がせたら、フレットのをすり合わせを行います。詳しくはリペア、カスタマイズ記の<リフレットの項>に記します。
今度はペグ穴の中の塗装をリーマーで削って広げてペグの取り付けをします。
今回使うペグはGOTOH製MAGNUM ROCKのエボニーボタンノブです。

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弦を巻くだけでペグ部分でロックされポストに弦を巻きつけなくていいのでチューニングが安定します。
次にブリッジの位置決めをします。最初にネックの0f、12f、最終f 上にマスキングテープを貼りセンターラインをそれぞれ罫書きます。その延長上に0fから
635.5mmの位置にマスキングテープを貼ってセンターラインを罫書き、それと垂直に垂線を引きます。
ここがスケールラインになります。次にブリッジの1弦側のサドルを一番前までずらし、1弦の駒の弦が乗っかるポイントを、このスケールラインに合わせてラインに平行になるようにブリッジを置き、ずれないようブリッジの前後に沿って線を引きます。
スタッドの入る6つの穴のそれぞれの中心点に細いシャープペンなどを使って中心点をポイントし、念のため同時に穴の内周をなぞって置きます。ブリッジを外して円の中心に正確にポイントできているのを確認したらその中心点の一番平均的な所に直線を濃く罫書き、再度ブリッジを置いて千枚通しを使って中心点を再度目打ちします。
トップがメイプルなので、ボール盤を使ってここにビスの径より-0,3mmほどの穴をビスが入る分穴あけします。(ビスを実際にブリッジにセットしてみて下側がどれくらい出るかノギスなどで測り、ボール盤のメモリを見ながら穴を開けます。不安ならビットにマスキングで記しをつけておけば間違いないです)
これでブリッジを組み込めました。つぎにPickUpを搭載して穴の位置を開けます。直付けなので事前にPUの足の穴を広げておく必要があります。東急ハンズで小さい径のビスを探したのですがPUの取り付けに使えそうな長さは2.7mmの径以上でないとないので(もしくは特注)
2,8mmに広げます。使うPUはフロント:SeymourDancun '59N  リア:SeymourDancun TB-4ですフロントはビス2つリアは4つ使用して固定します。フロントだけ音量をわずかに調節できるよう薄いゴムのブッシュを挟みました。
次はアッセンブリーを組み込んでいきます。キャビティが深く作業性が悪いのでキャビティカバーを作った治具に穴を開けキャビティ底面に見立ててそこである程度の配線を行います。こうしたほうが遙かにキレイに早く結線できます。深いキャビティでも誤まってハンダゴテの腹で内壁の塗装を焦がしてしまう心配もありません。
出来上がったら治具からアッセンを外してそのまま本体に移植します。

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今回使うのは4回路5接点のOAK社製Super Switchを使います。Fender社も使用しているスイッチです。SoundHouseで\2,700ほどでした。Dimarzio製だと\6,000くらいします。
普通のPRSのレギュラーラインはセレクターのポジション順に
1:フロントハム、2:両PU外側コイルのパラレル、3:両ハムバッカーパラレル、4:両PU内側のシリーズ、5:リアハム
という感じになっているのですが、これを1Vol.1Toneで再現しようとすると5回路6接点のロータリースイッチが必要になってしまいます。
ロータリースイッチは好きじゃありません。どうしてもレバースイッチが良いのです。
しかし今回の523customは1Vol.の為、回路図とにらめっこしていたら嬉しいことに4回路5接点レバースイッチで同じ機構を再現できることに気がついたのです。
DGBさんご提供の回路図を参考にさせていただきました!DGBさんありがとうございますm(_ _)m<回路図はこちら>
今回の523Customの最大の特徴はブリッジにFishmanのPiezo付きブリッジを搭載していることです。このブリッジはかなり方々血眼になって探し回りました。PRSの純正そっくりでしょ?
マグネティックとピエゾの切り替えスイッチをEVHみたいにレバーにしたかったのですがそうするとレバー2個になり本当にPRS513モデルみたいになっちゃうのでトグルにしました。
プリアンプはないのですがこのタイプのピエゾは素子がサドルに直接仕込まれており、出力が高いので問題なく使用することができました。
ちゃんとピエゾの音がします。その代わりブレンド具合をコントロールすることは出来ませんが。

さあ結線したらナットを切って弦を張りましょう<ナットの整形
>早く音が出したいです。

一緒にシンクロのトレモロスプリングハンガーのアンカービスをストラト用の長くて太いものに交換し、バネの数を増やしました。

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さあ今度はどうだ…激鳴りになりました。すごい変わり方です。
音色ですが狙った音は出ています。ボディの鳴りをダイレクトマウントしたPUがそのまま拾ってくれている感じが伝わって来ます。
肉厚ボディにベタ付けブリッジ、極薄塗装なども効いている…と多分思います(笑)
パワーがあってサスティーンが豊かでファットな出音というコンセプトは実現できました。
フロイドローズ以外のギターをあまり持っていなかったのですがこれほどサスティーンが伸びるとは思いませんでした。
ピエゾの音も気に入っていますがこれについては将来的に是非プリアンプを搭載して試してみたいと思います。
現在手元に無いので帰って来次第サンプルをアップしたいと思います。
お付き合い頂きありがとうございました!

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