製作記 

ボディ編  コンセプト:PRSマッカーティのボディ厚(カスタムより厚い)にしてファットな出音を狙う。
         PU直付け、トレモロブリッジのベタ付け。

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まず初めにバック材の平面を出します。バック材にはオリジナル同様ホンマホを使いたいと思います。
全面にバーズアイのような細かい杢が出ており完成が楽しみです。
何十年経っても剥がれやめくれの無いラミネイト構造にするにはこの平面が出ていないと始まりません。
マホガニーのようなやわらかい材は少し粗く削ると表面がチップしそれまでの労力が全て無に帰す為相当精神力を消費します。

カンナの精度が物を言います。
次にキルテッドメイプルトップ材の平面出しを行います。
ブックマッチするには側面にプレーナーで完全な平面を作らなければなりませんがその基準面となる為これも精度が求められます。わずかな誤差でも許されません。

今度は材は硬いのですがもろくやはりカンナの台や刃の調整がしっかり出来ていることが前提です。

プレーナーをかけたらブックマッチです。

厚い材を真ん中から半分にして本のように開き接着するわけです。そうすることで木目が合致し見た目にも美しくなります。
今回は表と裏で木の色味が違った為選択の自由度は限定されてしまいました。そしてまた平面出し…orz


ある程度平面が出たらいよいよラミネイトに向け先にバック材からもう一度平面を作ります。終わったら今度はトップ材。
そして接着。これを一日で終わらせなければなりません。

朝9:00から始めて18:00ぎりぎりに何とか間に合いました。ちょっと平面が甘かったかな?
やはりしびれを切らして先を急いでも良いことはありません。次回の課題にします。

 

やっと、やっと木を切れます。バンドソーという機械ノコギリでボディをラフにカット
テーブルルーターという機械を用いて自作のテンプレートどおりに外周を抜きます。続いてバックにアール付けを行いました。R付け用のテーブルルーターを用います。実機モデルから3Rで抜きました。

次はバインディングの溝を掘っていきます。
なるべくバインディングに見えないようパーフリングぽく黒の外周と内側に白のカスタムバインディングを入れることにしました。
塗装の時ふちに黒でバーストをかけて外周の黒とサンドイッチのように挟もうという作戦ですこれならバインディングぽくは見えないでしょう。

後からバインディングの溝を掘るのは大変な作業ですのでまだトップ面に平面が出ている内にテーブルルーターでバインディング溝を抜いていきます。基準面が出ているので速く正確に掘れます。

次にトップ面にルーターを使って段々畑のようにアーチをつけるためのルーティングを施して行きます。
後からノミやカンナで削る量をなるべく少なく抑える為です。
こうすることで作業効率がグンとアップします。

掘りすぎると高級材がおシャカになってしまいますので掘り過ぎないように注意深く、しかし大胆に掘り進んでいきます。
ここはフリーハンドで行います。

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それが終わったら今度はプロトラクターという測定器を使いそれを参考にネック角を出しに行きます。
平鉋の出番です。メイプルは硬く脆いのでよく刃を研いでおかなければなりません。
ネック角の平面が出たらPUキャビティとトレモロブリッジのキャビティをザグリます。
今回はPU直付けブリッジベタ付けなのでネックを組み込んでから罫書いてザグルのでPUキャビティは後回しです。
トレモロの穴はテンプレートを用い裏まで貫通させます。テンプレート類は今回直付けということでエスカッションを使わないので、
かなり入魂してPUギリギリになるように何度も試し彫りを重ねて作り直しました。
こういう面倒な下準備で仕上がりに差が出てきます。

更にここでボール盤を使いアッセンブリー取り付け用の穴を開けておきます。コイツも裏まで貫通させます。
後から開けるとずれた時ポットやスイッチが入らなくなる可能性があります。
穴を参考にバック面のアッセンキャビティの位置決めをする訳です。

で今度は裏返してテンプレートを用い先ほど貫通させておいた穴とセンターラインを参考にバック面にハンディルーターでザグリを入れていきます。マホはやわらかいのでスイスイ進みます。
トップのメイプルが見える瞬間が結構快感です

セットネックのザグリ

いよいよ天王山のセットネックのザグリに入ります。なんせ一度掘ったらストラトのようにもう修正は効きませんから、厳重に注意しながら掘らなければなりません。ここはスピードは要りません正確さが第一です。左右のズレもさることながら、上下縦方向のズレも無いようにしなければなりません。

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ここではあとで微調整できるよう底面に2mmほどマージンを残しておくようにします。最終的には弦高が適正値に収まるよう手で底面を調整して良い感じのネック角が付くように持っていきます。またネックポケットのザグリはギュウギュウにネックを押し込んでやっと入るくらいのキツキツのザグリでなければなりません。すぐにすっぽ抜けてしまうようではダブルカッタウェイモデルは特に強度に問題を抱えることになります。何年か経って剥がれて来るようなセットネックではダメです。

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 ネックをセットして振り回しても(笑)外れないくらいキツクしこめました。また指板も傾かないよう注意します。

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接着する前にこの状態で指板にトリマーが当たらないよう下駄を噛ませてトリマーでザグリを入れて行きます。
今回PU直マウントということでエスカッションを使わないので、オリジナルと違い、ネックの根本のマホの部分が露出します。そこでキルトメイプルの突き板を細長く切って貼り、境目をアバロン貝から切り出した細い棒状のインレイで隠しました。良く見なければ分からない隠し味です。
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さあいよいよアーチ加工に入ります。四方反り鉋を用いてコツコツ削っていきます。
ベタ付け+マッカーティのボディ厚なのでトップ面のエンド側のアーチがオリジナルとは少し違って急になってしまいましたが、これはこれでおかしくはないので良しとしましょう
ある程度削ったら平鉋や南京鉋を使って凸凹を取っていきます。
バイオリンアーチのところ(バインディング際の淵より下がった部分)は彫刻刀でコツコツ削っていきます。逆目に気をつけないとすぐにチップしてしまいます。キルテッドメイプルはもろくて扱いにくい…

お次はバインディングです。先に厚さ0,5ミリの白いカスタムバインディングから巻いていきます。
これは問題ありません。ナナメに付かないよう瞬間接着剤とマスキングテープで留めて行きます。アセトンを使って留めるやり方もあります。アセトンは揮発するので木地着色にはこちらの方がいいかもしれません。

次は黒いセルを巻いていきます。厚さ1.5mmと厚みがあるのでRのキツイところはドライヤーで温めながら巻いていきます。

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鉋を使いセル掻きをして高さをある程度揃えたらサンドペーパーで馴らしていよいよネックとの接着に入ります。

木工用ボンドを水で溶きサンディングシーラー(下地塗装)の溶液くらいの固さになるまで溶いたらいよいよぶち込んでエイヤッ入れコノヤロ、行くぞー!元気ですかー!ダァー!!キャー!で入りました。…失礼しました。
 


一日乾燥の後、各部木地調整に入りまふ。このような感じではありますが宜しければ塗装編にてまたお会いしましょう。

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