製作記 

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組み込み編  

ストラトのピックガード(以下PG)を製作します。この作業は塗装の乾燥待ちの間に完了させておきます。

まずテンプレートを製作します。
塗装に入るとボディに現物あわせでPGを製作できなくなる為、塗装前のボディのコピーを取っておきます。

そのコピー用紙の上に実機を参考にしながらキャビティがすべて隠れるようにPGの形をデザインします。
その上にセンターラインを引いた3mm厚のアクリル板を置きセンター同士を合わせ
マジックで線をなぞっていきます。
一緒にキャビティの真ん中に収まるようピックアップカバーを置いて位置を写しておきます。

その実線に沿ってボール盤と電動ノコギリ(以下電ノコ)で型を抜いていきます。
ピックアップ(以下PU)の穴はわざと小さめに抜きます。
鉄工ヤスリで外周を実線ギリギリ近くまで整えます。切り口が垂直になるように充分注意しながら最後は#150のペーパーでギリギリまで攻めて仕上げます。
鉄工ヤスリでギリギリにしすぎるとペーパーで仕上げに行った時実線を割ってしまうので注意です。実線を割るのはいかなる作業でもNGです。

外周が仕上がったら次は小さめに抜いたPUの穴を広げます。
実際のピックアップカバーを時々あてながらギリギリピッタリ入る大きさに合わせますこの穴の淵に隙間ができると不恰好です。ハイエンド系のストラトモデルやカスタムショップはこのあたりの作りこみが違うのです。
テンプレートが完成したらピックガードの板をちょうど良い大きさに切りバック面にセンターラインを引き、テンプレートのセンターラインとビタ一文狂い無く位置を合わせて貼り合わせます。そして電ノコで周囲をラフにラフにカットしピックアップのところにボール盤でトリマーを入れるための穴を開けます(12〜13Φ以上)

終ったら先端にベアリングのついたトリマー(以下コロ付きトリマー)で一気にテンプレートと同じように外周とPUの型を抜きます。速度はゆっくり回します速く削りすぎるとチップする可能性があります。ただしこの時ネックポケットとトレモロブリッジのところは後で現物合わせで整形するのでまだ手をつけないでおきます。パーツをネジ止めするための穴を開けます。

話は少し戻ってバフがけが終ったら組み込みをしていきます。

まずマスキングを剥がす作業に入ります。指板面に塗装の乗っていないローズやエボニーなどの指板は油目の加工した鉄の油目ヤスリで指板のエッジごとマスキングを削って塗膜を切ります。エッジはあとでまるめなければならないので問題ありません。塗装前に削りすぎないようにしておきます。
ボディのネックポケットのマスキングは淵を残してカッターで切れ目を入れていきその後鉄工ヤスリで外側から内側に向かって塗装ごと削り落とします。根気が要りますがゆびでめくったりするとボディの上の塗装まで容易に剥がれてしまいますので慎重にやります。

ブリッジの組み込みは<PRStype523custom組み込み編>に譲りますがスケールポイントはロングスケールなので0fから648mmに設定します。

ブリッジが組み込めたら位置がズレていないことを確認し一旦外して、PGをそれに合わせて削ります。

まず型抜きが終ったPG(若しくはテンプレート)にパーツを組み込んで配線しすんなり入るか確認します。当たってないことを確認したらボディ側に千枚通しで目打ちしてビス穴を開けていきます-0.3〜0,5mmくらいかな。取り外しを頻繁にするところなので少しきつめの方が良いです。

そのビス穴に合わせながらブリッジの部分を電ノコ、ボール盤、棒ヤスリ、ペーパーなどを使って削っていきます。
ここも間が開きすぎてガバガバだと不恰好です。
ピッタリには合わせますがトレモロを稼動させたとき当たってギシギシ行ってしまうようではだめです。
当たらないように目一杯ギリギリ、これを目指します。

その後今度はピックガードをボディに4点ほどビス止めしてネックポケットの部分を抜いていきます。
ここは先ほどのコロ付きトリマーを使用します先にある程度ラフカットしたらネックポケットにコロ(ベアリング)を当ててポケットに沿って沿わすとポケットピッタリに形が抜けます。

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トリマーやルーターには刃の方向があり動かす方向に注意しなければなりません。逆に動かすと刃の流れと手の動きが一致して吹っ飛ばされ大事なギターが台無しになります。

PGは白の1Pなので淵に角度はつけません。
これで一応ピックガードは完成です。アッセンブリーの乗る位置にアルミテープを貼ってシールドしたらアッセンブリー、
PUなどをどんどん組み込んでいきます。またボディに配線用の穴をドリルで開けていきます。

裏返してスプリングハンガー取り付け用の穴を開けていきます。ここはかなりのテンションがかかるところなのでドリルと長いビットを使い規定値よりキツメに穴を開けます。使うビスはネックをセットするビスと共通です。横から見てスプリングハンガーが飛び出してしまわないよう注意です。かといって下に当たってしまうと今度は締めこめなくなってスプリングを調整できなくなってしまいます。

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あとは部品を取り付け、フレットすり合わせをし、ネックを組み込み弦を張りナットを切って完成です!
すり合わせについてはリペア記<リフレット>の項に譲ります。

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リフィニッシュ、カスタマイズ

リフィニッシュでカラーリングしたのでそれに合わせてPGを新調します。
ヴィンテージぽい雰囲気を出したいのでミントグリーンのPGにしました。3Pなので端をスラントさせます。

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 スラント具合も年代により違うのですが、70年近辺は割合立っているので傾斜は浅くします。
テンプレートを貼ったまま傾斜用のコロ付きビットを使いテーブルトリマーで沿わせて抜きますブリッジの内部とポケットはやったら大変なことになります。
非常にチップしやすいので速度はゆっくり少しづつ行います。プロでもこの作業は慎重に行います。
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